本記事は、海外赴任から日本に帰国したら必ず行いたい「お金に関すること」のまとめです。
帰国後の住民票の登録などなどではなく、現在と将来のお金を考えたときに日本で行っておいた方が良いことになります。会社員、公務員の方、どちらも対象です。
その意味では、海外赴任者だけでなく、実は日本在住の全ての方が行われては良いことでもあります。
以下の一つでも、まだ検討していないものがある方は、ぜひとも、流し読みでも良いので、ご一読いただければと思います。
実際、私も、海外赴任から帰国した夫と同居し出した2020年後半頃、以下挙げた全て、何もやっていませんでした。海外からの帰国後は生活の立ち上げなどで、いろいろ大変ですよね。。
しかしながら、後になって考えると、さまざまな制度が年々変わっていくので、数年単位で海外赴任をしていた方が知らないことが多いのはむしろ当然なのです!
むしろ、新たな生活を始められるタイミングで、お金のことを考える良い機会だと思いますので、ぜひ早い段階からご検討されるのが良いと思います。
帰国する際に、「このような記事があれば良いな」という思いで、会社員および公務員の全ての海外赴任者に、参考にしていただければ幸いです。
目次
(エピソードゼロ)「お金」について考える
以下で具体的な「やるべきこと」を紹介する前に、その前提として、現在と将来の「お金」について考えることをおすすめしたいと思います。
外国にいると、資産運用や節税対策を行うことが様々な制約の中で難しいですが、日本に戻るとそれが可能です。日本に戻ると、住民税も払わなければいけません。
自分が使っている銀行や払っている税金、保険料のことなどを、帰国の機会に考えてみることは、非常に重要です。税について知ることは、世の中の仕組みを知る一歩にもなりますので、メリットしかないと言えます。
図書館で色々は本を借りたり、ネットで調べたり、ご自身のやりやすい方法で、勉強してみることが良いと思います。もしYoutubeをよくみるという方は、とりあえず両学長のリベラルアーツ大学さん、Bank Academyさんなどの動画を通勤や家事中などに聴いてみることをおすすめします。
以下は、両学長のリベラルアーツ大学(リベ大)の「本当の自由を手に入れるお金の大学」を芸人の中田敦彦さんが紹介した動画です。中田さんご自身も、お金について勉強され、今や吉本興業も退社しシンガポールに拠点を移されている方です。
お金について詳しくなっていくと、本当に色々できることがあるような気がしてきます。
今回の記事では、非常にハードルが低く、誰にでもできて、それでいてメリットがしっかりあるものに厳選していきたいと思います。
1 預金金利の高い銀行口座にお金を預ける
まず初めの「海外赴任から帰ったらやるべきこと」ですが、それは、皆さんの使われている銀行口座の預金金利を調べていただくことです。
そして、もし0.1%未満であれば、結論としては、『とりあえずあおぞら銀行や楽天銀行など、0.1%以上の金利で預金しましょう。』ということをおすすめします。
メガバンクの預金金利は非常に低い!
三井住友銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行、みずほ銀行などのいわゆる「メガバンク」の預金金利は0.001%、1年ものの定期預金でも0.002%で、正直「預けておく意味がほぼない」状況です。
おそらく、メガバングの窓口で、定期預金などの相談をすると、銀行の窓口の方から「金利がかなり低いのでそこまでメリットないかも・・」と言われるレベルの低さです。
従って、口座閉鎖までしなくても良いですが、ご自身のお金はより金利の高いところに預けられることを考えた方が良い状況であると言えます。
0.1%以上の普通預金金利(悲報:楽天銀行の改悪【2021.12.27時点】)
一方で、他のネット銀行等では、普通預金の金利が0.1%以上の高金利のところが複数あります。
上記のサイトでまとめていただいておりますが、色々な条件達成で高金利という場合も多く、これまでのオススメはトータルでは楽天銀行でした。
楽天銀行は、「マネーブリッジ」という、楽天証券口座との紐付けを行う設定(設定にかかる費用はゼロ)を行うことで、一定期間預金を塩漬けないといけない定期預金ではない普通預金で脅威の「0.1%」の金利をゲットすることができます。
海外赴任の多い方にとって、定期預金は一定期間引き出せなかったりで色々考えてしまうかもしれませんが、楽天銀行であれば普通預金でメガバンクの100倍の金利ですので、やらない手はありません。
・・・だったのですが、2021年12月27日付で、以下のリンクのとおり、楽天銀行の普通預金金利が改悪されるとの発表がありました。内容は、預金額300万円分には金利0.1%が適用されるが、それを超える分には金利0.04%が適用される、というものです。
これまで多くの方が、楽天カードの高いポイントや、楽天証券でのカード払い等、楽天ふるさと納税等、楽天の多数のメリットと0.1%の高金利からほとんどの預金は楽天銀行にしていたと思いますが、この改悪を受けて、例えばあおぞら銀行(0.2%!)なども検討することになるのではと思います。
楽天は、楽天モバイルの環境整備やサービス等で頑張りすぎてしてしまっているためか、最近サービスの少しずつの改悪が進んでいます。
この改悪を受けて、これから検討される方は、例えば、
① これからさまざまな形で楽天経済圏の旨味(引き続きメリットが高い)を享受したい方は、とりあえず楽天銀行と楽天証券口座を作り、メガバンクから多くの預金をうつしておきつつ、他の銀行預金も検討する。
② 楽天経済圏に入る予定が今のところない方は、とりあえずあおぞら銀行などの高金利の口座を作って入れてしまい、楽天サービスのことは後で勉強する。
などが良いのではないでしょうか。
ネット銀行に関するおすすめ勉強素材
とはいえ、私がそうであったように、これまで店舗がたくさんあるメガバンクを使ってきた方にはネット銀行に対する不安もあると思います。そもそもの楽天銀行の信用性、メリット・デメリットなどについて学べる両学長のリベラルアーツ大学さん、Bank Academyさんなどの動画を、通勤や家事をしながらでも、とりあえず聞いていただくのが良いのではと思います。
ちなみに上記の方々のような金融リテラシーの高い方々も楽天銀行のメリットを紹介されていた方が多いですが、今回の改悪を受けてネット上でも別の銀行口座のお勧めの検討も多くありますので、一通り調べてみましょう!
お金に関するリテラシーを高めておくと、この種の改悪やサービス変更があっても、落ち着いて、より良いサービスを利用することができます。是々非々で、常に最も良いサービスのメリットを享受していきましょう!
2 NISAを活用したインデックス投資
第2位は、NISAを活用したインデックス投資です。いきなりややこしくなってしまった感がありますが、これもメリットが大きいものなので、上位に持ってきました。
インデックス投資とは、市場の動きを示す特定の指数と同じ値動きをするように運用される投資信託(インデックスファンド)に投資することです。
また、NISAやイデコなどの、株式などの金融商品を非課税で運用できる制度ですが、これも、国が用意したお得な制度なので、有効に利用することを検討することがおすすめです。
具体的に一つ有効な利用例を挙げるとすれば、『手数料の低い証券口座(楽天証券やSBI証券など)をつくり、一般NISAまたは積立NISAの非課税枠でeMXIS Slimの米国株式(S&P 500)などを少額から買ってみる』などはいかがかと思います。
また、今後海外赴任が予定される方は、一般的なサービスは良いが海外赴任時に口座を維持するハードルの高い証券会社ではなく、『野村證券(ネット&コール)など海外赴任者にも優しい証券会社で口座をつくり、同じく一般NISAまたは積立NISAの非課税枠で手数料の安い商品を少額から買ってみること』も一案になります。本件は以下で後述します。
これからの方にはいきなりよくわからないワードが並んだと思いますが、これもYoutubeなどで関連動画を視聴していくと理解していけます。
インデックス投資
リスクは負いたくないという方がほとんどだと思いますが、長期でS&P500などの投資信託を運用することは、銀行にお金を貸す(銀行預金)と比べて果たしてリスクが高いことなのかは、必ずしもわかりません。今後のインフレリスクなどを考えると、むしろ株式などに資産を配分することの方がリスクを下げることとも言え、それをまず非課税で行えるNISAは、制度上利用しないと損であると言えます。
株式は、保有期間(放っておく期間)が長期間であればあるほど、ローリスクで、複利によるリターンを期待できると言えますので、その意味では行動は早いに越したことはないと言えます。
「生活費3か月分を除いた全ての資産を株式などの資産運用に充てる」ことが良いとも言われますが、いきなりそれだけの投資もハードルが高いと思うので、まずは余剰資金の中で、一般NISA、または積立NISAの非課税枠を使って運用して、徐々にその枠を超えた運用をしていくということが良いと思います。
海外赴任者にとっての株式等の長期運用
海外赴任者にとっては、そもそも海外赴任時の口座の維持が難しいという問題があります。
これに関しては、さまざま調べた結果、野村證券(ネット&コール)であれば、海外赴任者にとっても自身の証券口座を維持するハードルが低いということがわかりました。
逆に、楽天証券では、会社員・公務員ともに、「常任代理人を立てなければならない」というところのハードルが高いため、海外赴任時の継続利用が難しいことがわかりました。
これについての詳細は、以下の記事をご参照いただければ嬉しいです。
海外赴任者にとってのNISA
一般NISAが良いか、積立NISAが良いか、については、別途記事を作れればと思いますが、将来的に5年以上の海外赴任が確実にある方は、一般NISAの方が非課税で運用できる枠が大きい可能性が高いと思っています。
理由は、海外赴任時も維持できる野村證券であっても、NISAの制度上5年以上海外に赴任する場合はNISA口座は維持できないからになります。また、一般NISAでも、新NISAが2024年から始まることで5年以上の運用が実態上可能です。
なお、野村證券(ネット&コール)以外の証券口座では、そもそもの海外赴任時の口座の維持のハードルが高く、それらの口座をご利用の方は、海外赴任時にご自身が保有している株式を売却することになります。その場合、より短期の運用となる一般NISAの方が非課税枠をより有効利用していることになるといえるでしょう。
楽天クレジットカードでの株式積立購入
これまた楽天のサービスなのですが、楽天証券の投資信託の積立払いは、月5万円以内であればクレジット払いが可能です。
楽天クレジットカードは利用金額の1%がポイントとしてつくので、積立払いをクレジットカード払いにすることで、すでに投資額の1%分の利益が出ているとも言えます。
楽天クレジットカードを作るだけで5000円相当のポイントがそのまま得られたりするので、作るだけでもメリットがあると言えます。
これも併せて検討をされることをおすすめいたします。
おすすめ勉強動画
おすすめの勉強動画ですが、先ほどからと同じになってしまいますが、Bank Academyさんや、両学長のリベラルアーツ大学さんの関連動画を視聴する(聴きながら何かするのもOK!)ことをオススメします。
書籍等で勉強した私からしても、この方々の動画でNISA枠の利用やインデックス投資などを開始するために必要な教養は一通り揃っており、最初はこの動画を一通り視聴する(何かしながら聴くのもOK)が効率が良いなと思います。
Bank Academyさんや、両学長のリベラルアーツ大学さんの関連動画は一通り見た上で、他の方法でもご自身で理解を深め、ご自身に合ったやり方で無理のない範囲で、またご自身が良いと思う形で、始めることが良いと思います。
最終的には投資は自己責任なので、ご自身で納得して始めることが最も重要です!ネット上には様々な情報や不安にさせるような文句を含んだ広告もあふれていますので、ご自身で知識武装した上で始めることで、そうした情報にも惑わされず、ご自身の資産を守って、増やして行くことができます。
3 ふるさと納税
ふるさと納税も、海外在住者には縁がないことでしたが、お得かどうかでいえば、やった方が絶対にお得だと言えます。
お金の面だけをいえば、自己負担2000円で、それを超える多くの返礼品(例えばお肉など)が得られる可能性があります。
海外赴任者は、海外赴任時のご自身の日本の年収は少なく、日本に戻ってからの年収がどれくらいになるかわかりにくいため、初年度はふるさと納税の限度額の計算は難しいと思いますが、最初は少額で初めて、翌年からより限度額ギリギリを狙っていくということでも良いと思います。
とりあえずの導入のための動画も以下で紹介いたします。そこから関連動画を辿っていけば、どなたでもふるさと納税が開始できると思います。
具体的には、楽天市場で、ポイントも上手に得つつふるさと納税を行うのがおすすめといえます。最近では楽天以外にも、ふるさと納税対象商品の購入でポイントがつくところもありますが、2021年12月現在、引き続き楽天がお得だと考えます。
ちなみに、ふるさと納税制度の批判として、よく「返礼品目当てとなっている」とか、「全然自分のふるさとと関係ないところに寄付されている」ということが言われます。制度上返礼品目当てでも全く問題ないのですが、良心の呵責がある方は、ご自身のふるさとへの寄付をされることも良いと思います。
一方で、先日ラジオ番組で辛坊治郎さんがおっしゃっていたふるさと納税制度への指摘が、目から鱗でした・・・どういうことかというと、ふるさと納税をして問題ないなら、つまり、「その分の住民税が他に流れても問題がない」なら、その分住民税を下げたらいいじゃん!という指摘でした。まさにおっしゃるとおり・・・実際、海外から戻ってきて払うようになると、住民税って結構高いなぁと思われると思います。
現状「ふるさと納税をしない方はその分住民税を一定額減税!」ともならないので、正直、ふるさと納税はやらないと損といえる制度になっています。
自己負担2000円についても、実はポイントバックなどを考えると、自己負担どころかむしろポイント分で黒字にすることも、一定上の限度額次第では可能です。誰でもできるので、ぜひ少し勉強して、はじめてみることをおすすめします。
4 iDeCo(イデコ)の検討
iDeCo(イデコ)は、退職金用に自分で毎月一定額を積立て、その掛金を自分で金融商品で運用する仕組みです。運用している資金は65歳まで引き出せませんが、非課税で運用できるというメリットがあります。
これも、将来のことをご家族で、あるいはご自身で考え、利用することを検討することは良いことだと思います。
NISAと異なり、65歳まで引き出せないということなどから、お金に関しリテラシーが高い方もやっていない人も結構多い制度ですが、ご自身の人生設計上やることのメリットが大きいという場合もあると思います。ちなみに私は実施しています。
イデコに関する勉強動画や記事も、Bank Academyさんや、両学長のリベラルアーツ大学さん含め、多数上がっていますので、簡単に勉強することが可能です。
なお、iDeCoに関しては、海外赴任時も、勤め先の厚生年金に加入した状態であれば、これまで通りの運用が可能です。日本の口座に基本給が支払われ、その給与明細から年金掛金や厚生年金が引かれることになる方は、これまでどおりの運用が可能といえるでしょう。
日本で基本給が支払われない方も、その間の追加的な積立てはストップしますが、これまで積み立てた分は引き続き運用ですし、帰国時の積立て再開も可能です。
5 こども名義での株式投資
お子さんがいらっしゃる方は、お子さん名義で株式投資を行うことで、お子さんの将来の資産を運用することができます。
長期の運用による複利効果
先ほども挙げた株式の複利効果は、長期であればあるほど効果が大きいものなので、幼少期から始めた方が効果が大きいと言えます。
前述のとおり、将来海外赴任がある場合も、野村證券(ネット&コール)であれば、お子さんの証券口座(株式等の商品の保有)が、特定口座での利用継続できると言えます。
お子さんが大人になるまで、さらに言えばそのお子さんの老後まで運用すると、高い複利の効果が得られますので、お子さんのためを思えば検討して損はないのではないでしょうか。
ジュニアNISAはどうか?
なお、子どもの将来のための資産運用を非課税で行う制度としては「ジュニアNISA」があります。こちらは「2023年12月末で廃止が決定」しています。18歳まで引き出せないことのデメリットから、利用者があまりいなかったようで、2019年の税制改正で決定しています。
一方で、廃止が決定したことで、掛金の払い出しの制限(18歳になるまでは運用資金を引き出せない)が事実上無くなり(2024年から引き出し可能)、使い勝手が良くなったという面があります。そのため、「廃止が決定したことで利用者が増える」という状態になりました。
これも以下の記事や、Bank Academyさん、学長のリベラルアーツ大学さんの関連動画ご参照です。
非課税制度を最大限有効活用するという意味で「ジュニアNISA」の非課税枠(年80万円)を、2021年、2022年、2023年と少ない期間ですが、最大限活用するのも大変良いと思います。(私も廃止が決まった後の2021年枠から満額活用しています。)
一方で、今後また海外赴任がある方の場合は、海外赴任のタイミングでジュニアNISAに入れている資産は一旦利益確定させ、ジュニアNISA口座は閉鎖させる必要がでてくるといえます。
そうすると、残念ながら長期運用はできないので、「ジュニアNISA」を駆け込み利用される際は、長期運用という側面よりも、中短期(海外赴任されるまでの数年)の運用と考えた方がよいでしょう。イメージは一般NISAかと思います。
従って、海外赴任予定者が「ジュニアNISA」を利用される場合、年80万円分を非課税(利益に対し20%の税金がかからない)で運用できるメリットがあるものの、次回の海外赴任のタイミング(利益確定をさせるタイミング)の経済状況に左右されやすいというリスクがある、と言えます。
6 保険を見直そう!
生命保険など、ご自身の入られている保険を見直してみることも、自由なお金を増やす意味では重要です。
両親が勧めるまま、あるいは入社後、よくわからないまま保険に入っているという方も多いのではと思います。
特に海外赴任者は、赴任時に海外保険にも加入されると思います。以下のリベラルアーツ大学さんの動画などを参考にしつつ、ご自身にとって本当に必要な保険は何か、あらためて検討してみましょう!
まとめ
海外赴任からご帰国されたタイミングは、新たな生活をスタートするタイミング。
それは、ご自身とご家族のお金について考える絶好のタイミングでもあります。
お金についてのリテラシーを高めることで、ご自身とご家族の生活防衛資金、そして自由に使えるお金を守り・増やしていき、さらに日本と世界の経済全体についてもリテラシーを高めることができます。
上記でも多く紹介させていただいたように、素晴らしい情報を無料で配信している方々をはじめ、有難いことに最近は効率的に最新情報をアップデートできるコンテンツが複数揃っていますので、誰でもリテラシーを高めることができます。もしご検討がまだの方は、まずは関連動画の「ながら聴き」からでも、されてみることなど、いかがでしょうか。
コメントやご質問、ご自身の体験のシェアがある方はぜひご気楽にご連絡いただければ嬉しいです。こちら「ごんごんち制作所」では、動画編集などいろいろやっておりますが、海外赴任者間の情報共有、お得な情報発信など、ずっとやりたいなと思っていて、今後さらにできればと思っております。
この記事が少しでも参考になれば幸いです!