お子さんに読ませたい絵本をご検討の方に、【一歳児が選ぶ】では1歳児が実際にハマった絵本をご紹介します。
本記事では、もう「みなさんご存知の」、ではありますが
『おつきさまこんばんは』
林明子作
福音館書店
をご紹介したいと思います。
『おつきさまこんばんは』は、20ページ、正方形(18 x 18cm)で、半ページに文字・半ページに絵の構成の絵本です。
1986年出版の絵本とのことで、0歳児からお読みいただける長年の名作です。もはや説明不要かとも思いつつ、うちの子どももなんとなく暗唱できるくらいハマった絵本なので、紹介させていただきます。
オススメポイントは、「0歳向けでも感情表現とストーリー性」があることで、「子どもも自然と楽しめる」、「夜や月の認識を提供してくれる」ところです。実は「ネコ好きにも嬉しい絵本」です。
【ご参考】
・利用させていただいている作品の写真の利用に関しては、福音館書店さまの著作権利用のポリシーに沿った形で行っております。
・(福音館書店公式HP) https://www.kogumasha.co.jp/product/707/
・以下の反応は子どもが0歳から1歳にかけてのものです。0歳から何度も読んでいた絵本ですが、1歳で絵本を自分で選べる様になって、一時期よく選んで来ていました。
1歳児のハマったポイント・リアクション
1歳なりたてくらいにハマっていた時期のリアクションや発言は以下のとおりです
- 「ほらお空がくらいくらい。あっお月さまだ」
(夜寝る前に親の私たちも言うことが多いからか、なんとなく暗唱するようになりました。) - おつきさまがでてくる場面
(ネコたちがお月さまの登場を喜ぶ場面。読み手も嬉しそうに読むからか、子どもも笑顔になります。) - 「こんちは〜」
(こんにちはをなんとなく言える様になって、おつきさまが登場する際、言っていました。本当は「こんばんは」なのですが、挨拶をしているのでしょう・・) - 雲さんの登場場面
(雲さんでお月さまの顔が隠れてしまう場面では、ネコさんたち同様、読み手も「やめてー!」という感情で読むことができます。
ちなみに雲さんはお月さまとちょっとお話ししたかっただけなのですが、お月さまもちょっと嫌そうで、ちょっと可愛そうな役回りです。笑) - 最後にお月さまが笑ってるところ
(読み手も嬉しそうに読むので、子どももつられて嬉しくなる場面です。) - 黒猫の動向
(ネコ好きの子どもにとっては、二匹の猫の動きにも注目度が高いです。)
豊かな感情表現とストーリー性
公式にも、「読んであげるなら」の年齢は「0才から」となっているように、0才からでも楽しんで読める絵本です。
0才からも楽しめる絵本でありつつ、豊かな感情表現と、ストーリー性もあるところが素晴らしいなと思っています。
やはり0才からの絵本は展開を複雑にすると難しいのでストーリー性の少ないものも多いと思うのですが、『おつきさまこんばんは』に関しては、
「おつきさまがでてくる(嬉しい)」
→「くもさんにお顔が隠れる(悲しい・やめて〜!)」
→「くもさんごめんごめん、またこんど(謝る、説明)」
→「おつきさまが笑顔になる(嬉しい)」
と、感情の変化とストーリーの展開が一緒になっていて、小さな子でも自然と笑顔になれる仕組みがあるように思います。
1歳児でも改めて楽しめる
1歳を過ぎてくると特に、1ページずつで完結した絵本など、ストーリー展開がない絵本や、ストーリー展開がわかりにくい絵本よりも、物語りの展開がある絵本を好む様になってきまして、
とはいえ文字数の多いものも集中が続かないので、絵本選びも一筋縄ではいかなくなってきます。
『おつきさまこんばんは』は、前述のとおり、感情豊かでストーリーの展開もあるからだと思うのですが、1歳になってからでも引き続き楽しむことができます。
今夜もお月さまは夜空で照らします
福音館書店公式HPより
静かな夜の空。ネコが寝そべる屋根の上が明るくなって、しだいに金色に輝くまん丸いお月さまがでてきました。「お月さまこんばんは」。ところが、そこに黒い雲やってきて、お月さまを隠してしまいます。でも、だいじょうぶ。黒い雲は少しお月さまと話をして、また去って行きました。ふたたびあらわれたお月さま、にっこり笑顔で「こんばんは」。まるで話かけてくるようなお月さまのやさしい表情に子どもたちも思わずにっこり。
ちなみに、文字は屋根の上のネコが喋っているセリフのようになっていて、ネコ好きの子どもにも嬉しいです。笑
夜が舞台で、月が主人公の貴重な絵本
この絵本は、夜が舞台で、「おつきさま」は発言こそありませんが、表紙から背表紙まで、大変な存在感をもった主人公です。
ちなみに「おつきさま」は、可愛くもあるけど若干リアルな「顔」をしていて、作中他に「顔」が描かれている登場人物はいません(最後ちらっと登場する人間もシルエットです。)。「おつきさま」の黄色も、深い青の夜とのマッチングで、大変きれいで、見事なコントラストになっています。
こうしたところからも、「おつきさま」の存在が際立っています。
このように、夜が舞台で、おつきさまが主人公となっている絵本は、他にそう多くなく、貴重では、と思います。
0歳、1歳の子と出歩くこともそう多くないと思いますし、街灯が多く「月」や「夜」の存在を日常で感じづらくなっている昨今では、こうした絵本が身近にあって何度も読めることで、子どもが「月」や「夜」を認識していくことがスムーズになるように思います。
また、朝自然と使う「おはようございます。」、お昼の人との接点で使う「こんにちは」と異なり、夜の挨拶「こんばんは」は、夜出歩くことも少なく日常生活で使うことも少めなので、こうした絵本で使っていくことも大事だなと思います。
現在1歳半のうちの子どもはまだ「こんばんは」はちゃんと言えたことはないので、まだまだ読みたい絵本です。
まとめ
ロングセラーとなるだけの要素が詰まった『おつきさまこんばんは』(林明子作 福音館書店)、まだ手に取られていない方は、ぜひお子さんに読んでいただきたいと思います。
0才のときはお家で繰り返し読み、1歳になってからも子どもの趣向や気分に応じて読んでみても良いのではと思います。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。